d beauty of 9ja ― 魅するもの、ナイジェリアから


31

2011年7月29日

2011年6月25日 イフェ、モダケケ地区の下宿にて

真っ暗な夜、2本のロウソクがケーキを照らし、“Happy Birthday”の文字がくっきりと浮かぶ。2011年6月25日、オメナは31歳になった。

コルクの抜けないワインと格闘するサム。
「もういいよ、スプライトで乾杯しよう」
ひたいと首を汗でじわじわ濡らしていく彼に、オメナは笑って言った。

半分充電された音楽プレーヤーから流れる音にあわせて歌うわたし。
「はじめて歌ってくれたね」
失恋の歌だったのに、オメナは喜んだ。

30という夢を抱いて一緒に眠ったあの夜から、365日が過ぎた。これはまだ夢なのか。胸からあふれでた不安と期待いっぱいの湖を、わたしたちは泳いでいる。

Photo
誕生日ケーキをかこむオメナ(左)とサム(右)。ふたりは前日の金曜日、仕事を休み、車で8時間かけてデルタ州から会いに来てくれた。
2011年6月25日 イフェ、モダケケ地区の下宿にて

(毎週土曜日更新)



著者紹介

緒方しらべ

緒方しらべ (おがた・しらべ)

1980年島根県に生まれる。18歳まで福岡県で育つ。ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)にて学士課程をへて、2005年に同大学院修士課程を修了。2007年より、総合研究大学院大学文化科学研究科にて博士後期課程に在籍。

2003年以来ナイジェリアでフィールドワークに従事し、造形活動にたずさわる人びとをテーマに研究をおこなっている。

(株)清水弘文堂書房

TEL 03-3770-1922 FAX 03-6680-8464

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