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ウーマナイザー

2011年8月6日

2009年7月2日 アブジャ ウセのアミナの家にて

「いまわたしに言い寄ってくるのはみんな既婚者よ」「一夫多妻制が認められるなんておかしな話だわ。妻たちを平等に愛せるわけがないじゃない」「一夫多妻主義じゃない男性のほうが、もっとたくさん『妻』を持っている場合さえあるのさ」「父親がよそで子どもをつくって、子どももその母親も家に連れてきて一緒に暮らすってのはよくあることよ」「わたしはすでに65歳のとき、精子の活動を止めたんです。ナイジェリアの男性としてはめずらしいことなんですけどね」

「95パーセント以上のナイジェリア人男性はウーマナイザー(女たらし)だ」
人びとがよくそう言うのは、うそではないのかもしれない。でも真相は『藪の中』。あなたが彼らと出会うまでわからない。

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朝、娘を幼稚園に送って帰ってきたアミナ(左)と、前夜、アミナを訪ねて来て、起きたばかりのトイン(右)。仕事、家族、ウーマナイザーのこと……朝食をとるまえに、女3人でいろいろな話をした。ナイジェリアでは、イスラム教徒でなくとも、とくに農夫たちは伝統的に一夫多妻主義である。一夫多妻制、そして貧困やモラルの低下が男女・夫婦問題に深く関係していることは否めない。政治家の贈賄、宗教対立のほか、庶民の日常ではこうした問題が絶えない。しかし、彼らが苦しみながらも、日々あたりまえのようにこの問題を乗り越えていることもまた事実である。
2009年7月2日 アブジャ ウセのアミナの家にて

(毎週土曜日更新)