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祈り、とどろく

2010年8月14日

日曜礼拝で、大声をあげて祈りつづけるキリスト教信者たち。2009年10月25日 イフェ、イロデ地区のプロテスタント教会にて

大声をあげ、こぶしを振りあげて、全身をふるわせながら、祈り、歌い、踊るみんな。わたしはただぼう然とする。熱い。天井につるされた扇風機は、その羽根が見えるほどにゆっくりとしかまわらない。60人の汗がまじった熱気と鳴り響く祈りで空気は重く、気が遠のいていきそう。息苦しい。立ちっぱなしで足がむくみ、薄くて硬いプラスチックの椅子に腰をおろす。痛い。日曜礼拝がはじまって、すでに5時間半が経っていた。

幼稚園・小学校のお御堂には、しみひとつないじゅうたんが敷かれ、わたしたちは上履きを脱いでそこへ入った。クッションがはめこまれた木製のりっぱな椅子に腰かけ、説教するシスターの背後でかがやくステンドグラスを、ぽかんと眺めていた。中学・高校時代は、ミサがあるたびに、その静かで厳かな1時間半ほどを、いねむりして過ごした。日本のカトリックの学校に通ったわたしにとって、教会とは静寂な空間だった。

「そんなに叫ばなくたって、神さまには十分聞こえとうって」
そう言うのは簡単だけど、こんなに真剣に、わたしは祈れるだろうか。とどろく祈りがとどくことを信じてやまないみんなのなかで、ひとり、心がひるんだ。

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日曜礼拝で、大声をあげて祈りつづけるキリスト教信者たち。
2009年10月25日 イフェ、イロデ地区のプロテスタント教会にて

(毎週土曜日更新)