犬ごころ、人ごころ


小型犬と大型犬の飼い主にみるギャップ

2012年10月29日

—湘南・鵠沼で犬を飼いはじめて15年、毎日散歩をしていると、ワンコの種類やその飼い主さんをはじめ、犬に関係ないそこにいる人びとや街並まで、散歩をとりまく環境が常に変化していることを実感します。そして最近特にその変化がどんどん早くなっていることを痛感します。初代のセナだけを飼っていた10~15年前は、その変化はまだゆっくりで、湘南らしくどこかのんびりしていましたが、2代目アンディが来た頃から変化のスピードが早くなり、ここ1~2年は特に急激に変わってきました。
―古くは別荘地であり、お屋敷街でもある鵠沼の住環境が、世代の入れ替わりの影響もあって、細かく区分けされて分譲されることが多くなり、マンションも増えています。また数多く存在した企業の保養所が廃止されていることも、その動きに拍車をかけています。
―当然、人口が増え、住宅事情の変化から大型犬が減少し、小型犬が増えました。特に小型犬の増加は、別に鵠沼に限ったことではなく、ペットブームを受け、街でペットを飼うなら日本では小型犬になるのが必定と言えるでしょう。その波がこの大型犬が多い地域の湘南にも訪れたということでしょうか。この前、東京の友人から「ゴールデンはもう東京では絶滅危惧種だよ」ということまで言われるほどですから、東京では大型犬を飼っている人の肩身は、狭くなったかもしれません。
―幸い湘南はそこまでにはなっていませんが、鵠沼に関して言えば、昨年から今年にかけて、明らかに小型犬が増加しました。いや、大型犬も増加していますから、冷静に見ると人口増加とともに犬を飼う人が増え、比率として大型犬よりも小型犬の増え方のほうが激しいということだろうと思います。その多くのケースが新しく引っ越してきた方や引っ越してきてまだ年月が浅い人が多いです。また、海岸沿いに立ち並んできたマンションはどこも「ペットOK/大型犬は除く」となるわけですから、小型犬が増えるのは当然と言えるでしょう。そして私はこの小型犬の増加をあまり歓迎する気分にはなれず、複雑な心境にならざるを得ないのです。

―私は大型、小型を問わず犬が大好きです。しかし、その物理的な大きさの違いによって、飼い主側の意識や心構えが異なり、また備えている知識も違います。犬に罪はないのですが、その違いによるふるまいや行動の違いが気になるし、ちょっと眉をしかめることもあり、時にはこちらの心が傷つくことさえあります。大型犬と小型犬の飼い主は同じ「犬飼い」といっても、似て否なる点も多いということを知ってもらいたいです。
―大型犬を飼っていると、体が大きいですからよく「恐い」という感情を相手に持たれることがあります。しかし大型・小型という大きさよりも、犬種特性やその人の飼い方のほうがはるかに関係しています。飼い主サイドも大型犬の場合、きちんとしつけないと大変だということを身に染みて分かっていますから、そういう点でも管理はいき届いていることが多いのです(もちろん例外もありますが)。大は小を兼ねる、というわけではありませんが、無駄吠えや犬の社会性に敏感なのも大型犬の飼い主の方だと思います。

―小型犬の飼い主に、私が心を傷つけられるのは、すれ違いのときなどに何か猛獣に遭遇したように露骨に嫌な顔をされたり、自分の小型犬を路上から抱え上げて隠し、全身で恐いというシグナルを発散している人に出会ったときです。時にはその気持ちを言葉にする人さえいます。おそらくその小型犬が吠えたり、つっかかっていくから抱き上げるのでしょうが、それはそちらの犬に社会性がなかったり、権勢症候群に陥っているからで、また犬ではなく飼い主さんが大型犬を恐れているだけのときもあり、こちらには何も問題はありません。そして抱え上げて他の犬を見下ろすようなことをやっていること自体、その小型犬の症状が悪くなることはあっても改善されることがないということも知らないのでしょう。そういう人と出会ったときは、少し残念な気持ちになります。犬が多い湘南に住むのであれば、大型犬がいることが当たり前であり、基本的な犬知識ぐらい備えて欲しいと思う次第です。

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今、大人気のトイプードル。全国的にも増えたが湘南も例外ではない

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湘南ではよく見かける大型犬・小型犬の2ショット。両者の共存はここでは当たり前だが…

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小型犬だからといって、飼うことが決して簡単なわけではない。どんな犬を飼うのでも正しい知識を


 


著者紹介

池野谷 健二(いけのや けんじ)
Editor, Photographer, Writer, DTP Director
湘南・鵠沼在住
ken [at] dogphoto.jp ([at] を @ に変えてください)

出版社勤務を経てから平成2(1990)年に独立。様々な編集・制作業務に携わり、20年以上にわたる雑誌編集長のキャリアも持つ。現在はフリーとして活動中。

1997年、ゴールデンレトリーバーのセナ(♂)を飼い始めたことがキッカケで犬の撮影を始め、2002年に2匹目のアンディ(♂)も家族の一員に。それからは愛犬が生活の中心にいるという生活となる。2010年4月、初代のセナが亡くなり、2011年3匹目のディロン(♂)が家族に加わり、現在は2匹のゴールデンとともに暮らしている。

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