犬ごころ、人ごころ


前回原稿をアップしたその直後に、カミツキ事件勃発!

2011年11月27日


ここ2回ほど、カミツキ犬にかかわることについて書いたのだが、前回のブログをアップしたその翌日に、なんとカミツキ事件が勃発! しかもやられたのは皮肉なことに私の愛犬アンディだった。6針を縫うかなり大きな怪我になった。何かの呪いか、はたまた逆に天からの何かのお告げなのか。縫合はしたが、幸い大事には至らず、現在は無事にきれいに完治した。

今回アンディは咬まれましたが、これはかなり特別なケースで、散歩中にいきなり知らない犬に咬まれたということではない。場所は私たちの家のなかで、噛みついたのはお互いによ〜く知っている一緒に生まれたの兄弟犬(20分ぐらいお兄さん)で、アンディと同じ9歳のオス。今まで一緒に多くの時間を過ごし、会っている回数も3桁を超え、近所に住んでいるから、お互いの家にも頻繁に行き来している。今回、そのお宅の方が旅行に出かけるということで、私の方で預かった。お互いに兄弟犬ということは明確に認識していて、特別に仲がよいというわけではないが、悪いということもなく、もちろん成犬になってからケンカをしたこともない。また、以前にも預かったことがあり、その時はまったく問題がなかった。

だから、今回の出来事は本当に衝撃的だった。
「ま、ま、まさか…ナゼなんだ!」
急いで治療を済ませた後、私も相棒の女性も、原因について深く、深く考えさせられた。

ことのキッカケにはやはり「たべもの」が絡んでいた。彼らの夕飯を相棒の女性がキッチンで用意しているときに、2匹ともキッチンの入口で首を長くして待っていた。ただ、きれいに並んでオスワリして待っていたのではなく、アンディが少し後ろの位置で2匹は斜に並び、アンディがほんの少しアタマを兄犬に並ぶように前に動かした瞬間にいきなり顔を噛みつかれてしまったのだ。

2人で同時に大声を張り上げたからか、噛みつき合いにはならなかったが、少し離れて座っていた私はダッシュでその場に向かい、腕をアンディの胴に回して一気に後ろに引き寄せ、相棒の女性は噛みついた兄犬のマズルを勇敢にもつかみ上げ、そのまま自分の身体を預けるようにして真っ暗な脱衣所にぶちこんだ。

そして私たちはポジションを変え、私が兄犬がいる真っ暗な脱衣所に入り、彼女はショックを受け、興奮しているアンディを母屋の方に連れて行き、落ち着かせるように、そちらでしばらく彼に寄り添いケアをした。真っ暗な部屋にしばらく一緒に入っていた私の方は、兄犬がことの重大さを何となくわかっているなと感じたので、リビングに彼を連れて行き、その距離15cmという至近距離からの眼力ビームと腹の底からの低い声で、そこから20分以上にわたる強烈なお仕置きを兄犬に行った。

流血はほとんどしなかったのでこちらもパニックにならずに済んだが、アンディも落ち着き、兄犬もお仕置きされてとても小さくなったところで、やはり念のため病院に連れて行くことにし、相棒の女性がアンディを連れて行った。兄犬と私は、そのままお仕置きしていたリビングの床にぽつんと2人残された。兄犬は相変わらずとても小さくなっている。そして、私からまだ恐いオーラが出ていたからか、けっして私とは目を合わさない。重い空気が漂っていた。
そんなところにちょうど飼い主のお宅から連絡が入る。
「もうすぐ引き取りにうかがいます」
簡単に電話口で説明した。もちろん先方は驚愕し、恐縮している。しばらくして先に都合がついたそのお宅の娘さんが兄犬を迎えにきた。やはりあらましを説明したら、腰を抜かしそうなほど驚き、そして本体のご夫妻が到着するまで、しばらく玄関で待った。
兄犬は娘さんに対してうれしそうにシッポを振るが、娘さんと会話していて私の声のトーンが低くなると、彼のシッポの振りが止まる。
「キッチリお仕置きしておきましたよ。今はまだ私と目を合わさないと思いますよ」と説明して、彼の視界に私の顔を入れると、サッと顔を背けてやはり目を合わさない。
「ほら、だいぶ効いていて彼も理解していますから、何もしなくても大丈夫だと思いますよ」
と私は述べ、そろそろいいかなと思って兄犬を私のそばに呼び寄せ、明るい声でヨーシ、ヨーシといいながら、私は優しく彼のアタマや身体を撫でた。最初は戸惑っていたが、少しずつゆっくりと彼はシッポを振りはじめ、そして「もうするなよ」と優しい声で言いながら激しくなで回すと、最後はブンブンと切れんばかりにシッポを振った。
とりあえず終わったかなと私はホッとした。あの状態のまままでは兄犬を返すわけにはいかなかったので、ご夫妻が到着するまでには普通の状態にできるだけ戻したのである。

ご夫妻が到着。病院からも連絡が入り、これから縫合手術をするという報告を伝えた。ご夫妻は兄犬を一度家に連れて帰り、そして戻ってきてみんなでアンディの帰りを待った。アンディはそれから1時間ほどして戻ってきた。ご夫妻も一緒になってアンディに詫びを入れながらたっぷりねぎらい、しばらく話をしてから、その晩は解散となった。なお、今回の出来事の原因や考察などは次回に書きたいと思う。

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夕陽を浴びて匂いチェックにご執心の兄弟2匹。彼ら同士で今まで何の問題も起こっていない。まさか我が家でカミツキ事件が起きるとは……

Photo
まるでブラックジャックのようになってしまった治療直後のアンディ。見た目にはほとんどわからなかったが、剃毛してみると意外と傷口は広範囲だった。


著者紹介

池野谷 健二(いけのや けんじ)
Editor, Photographer, Writer, DTP Director
湘南・鵠沼在住
ken [at] dogphoto.jp ([at] を @ に変えてください)

出版社勤務を経てから平成2(1990)年に独立。様々な編集・制作業務に携わり、20年以上にわたる雑誌編集長のキャリアも持つ。現在はフリーとして活動中。

1997年、ゴールデンレトリーバーのセナ(♂)を飼い始めたことがキッカケで犬の撮影を始め、2002年に2匹目のアンディ(♂)も家族の一員に。それからは愛犬が生活の中心にいるという生活となる。2010年4月、初代のセナが亡くなり、2011年3匹目のディロン(♂)が家族に加わり、現在は2匹のゴールデンとともに暮らしている。

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