犬ごころ、人ごころ


犬の写真を上手に撮りたいー3

2011年9月2日

今回も犬の写真の撮り方シリーズの続きを書いていこうと思う。
前から書いているが、犬の写真撮影の難しい面の特徴はとにかく、動きが速いということ、その動きが予測しにくいということ、そしてこちらの意図や指示に従ってくれないということに尽きるだろう。また、前回説明したように犬は体高が低いのでローアングルが基本となる。これも撮影を難しくする点となる。
だから、これらの撮影困難な点をカバーするように、カメラの設定、レンズの選択、撮影場所やアングルを工夫するいくことを基本とする。

動きが速いものを撮影するには、まずシャッタースピードを速くすることが重要だ。カシャッとシャッターが切れるスピードが、1/1000秒と1/10秒ならば、1/1000秒の場合は、犬の動きがいくら速いとはいえ、その短い一瞬のあいだの移動はほとんどないわけで、つまり動きが止まった映像を記録することが可能になり、逆にそんなに短くない1/10秒の場合は、どうしてもそのあいだに動いてしまうので、大なり小なり流れたような映像が記録されてしまうわけだ。全体が流れてしまった映像は、仮に機械的にピントがあっていても、顔や身体がはっきりしないピンぼけ写真のようになってしまう。また、このような状況は、被写体が動いていなくても、撮影者側が手ブレを起こすと同じような状況に陥ってしまうので注意しよう。

コンパクトデジカメには、通常さまざまなシーン設定やモード設定が用意されていて、最近は本当に驚くほどその機能は充実している。そのなかでこのシャッタースピードが早めになるようにプログラムされているのは、ペットモードやスポーツモードが代表的なのだが、コンデジユーザーの場合、それらの設定の特徴を熟知し、そのときの状況に合わせてマメに設定を変えて使用している人は意外と少ない。たいていはオールマイティに撮影できるオートに固定したままでどんなときも撮っている人がほとんどだろう。女性はほぼ100%オート一辺倒だと予想される。撮影するときはそれらを選択することはもちろんのこと、機種ごとに特徴やプログラムが違うので、やはり説明書をよく読んで、その機種のクセも含めて覚えておきたい。

さて、速いシャッタースピードと関連することに「ISO感度」がある。この数値が高いと感度がよいということで、感度がよければ光量が少なくても映るのである。先ほどのシャッタースピード1/1000秒と1/10秒を例にして説明してみよう。1/1000秒の方は1/10秒に比べると単純にシャッターが開いている時間が100倍短いわけだから、確実に光量は少なくなる。そしてそのとき設定されているISO感度がもし低ければ、当然光量が少ないので映りが悪かったり、1/1000という速いシャッタースピードで切れなかったりしてしまうのだ。逆にISO感度が高ければ、スムーズにシャッターも切れ、普通に撮影できる。このように速いシャッタースピードと高いISO感度はとても緊密に連携してくるものなのだ。だから動きの速い被写体を撮るためのモード設定では、この両者を連携させてプログラムされているといっていいだろう。

このように、犬の撮影では、速めのシャッタースピードが重要なのはもちろんのこと、ISO感度も高めにすることがポイントとなる。ただ、ISO感度をマニュアルで設定するというユーザーは多くないだろう。プログラムやオート、あるいはシーン設定で撮る場合は、それの設定も含まれているから、それにゆだねてしまっても問題はほとんどない。ただ、感度とシャッタースピードが緊密に連携しているというカメラの仕組みは覚えておきたい。

しかし、ISO感度をただ高めにすればいいのかというと、そうもいかないのが現実で、感度を高くすることのデメリットもしっかり存在するので、覚えておいてほしい。まず、感度を高くすると、画像は滑らかではなくザラザラした粒子感が際立ってくることも多い。発色やコントラストなども不自然になったりするケースも出てくる。なので目安としては、3年前ぐらいの機種ならばMAXのISO感度は400程度と覚えておくといいだろう。もっと古い機種ならば400でも粒子感が際立ってつらい機種もある。逆に最新機種はISO感度1200でも3200でも滑らかに映るものもあるから、それこそ自分のカメラでテストして、ISO感度による違いを把握しておきたいものだ。

ところで話は変わりますが、9/14に発売される雑誌「RETIEVER(レトリーバー) vol.65/エイ出版社刊」に、私はアンディとともに出演しています。よろしかったらご覧下さい。

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もう暗くなってしまった夕方に、走って接近してきた瞬間を逆光ぎみで撮影。ISOは400、シャッタースピードは1/500秒。1/500秒ぐらいでないと止まった写真は撮れない。

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さらに暗くなってから休憩中のアンディを撮影。ISOは1250、シャッタースピード1/200秒でシャープに撮影できた。ただ、実際の写真は全体にもっと暗い仕上がりで、少しレタッチして明るくしている

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[我が家での”モデル犬”アンディの撮影風景と、表情とポーズをキメル愛犬アンディ


著者紹介

池野谷 健二(いけのや けんじ)
Editor, Photographer, Writer, DTP Director
湘南・鵠沼在住
ken [at] dogphoto.jp ([at] を @ に変えてください)

出版社勤務を経てから平成2(1990)年に独立。様々な編集・制作業務に携わり、20年以上にわたる雑誌編集長のキャリアも持つ。現在はフリーとして活動中。

1997年、ゴールデンレトリーバーのセナ(♂)を飼い始めたことがキッカケで犬の撮影を始め、2002年に2匹目のアンディ(♂)も家族の一員に。それからは愛犬が生活の中心にいるという生活となる。2010年4月、初代のセナが亡くなり、2011年3匹目のディロン(♂)が家族に加わり、現在は2匹のゴールデンとともに暮らしている。

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