d beauty of 9ja ― 魅するもの、ナイジェリアから


同級生

2010年10月30日

日曜の朝、美術学部の様子を見に行くと、ゴケが課題にとりかかっていた。

2003年雨季、ボラデさんの弟子だったゴケにはじめて会った。当時彼は、アトリエの奥で作品にヤスリをかけたり、留守番したりしていた。同い年だから、同級生のように色いろな話をした。

「再会した年、見事、美術学部の入試に合格したね。庭に咲いていた花をぜんぶ摘んで花束にして、みんなでお祝いの記念写真を撮ったよね。もう一度再会すると、最終学年になってた。卒業したら自分ひとりでやってかなくちゃいけないと、依頼を受けた仕事や授業の課題で、いつも忙しそうだった。昔は恋人の絵をただで描いてくれたりもしたけど、もうそんなことも出来ないね」

2010年雨季、美術学部にもイフェの街にも、彼の姿はなかった。今ごろどこか大きな街で、忙しく、たくましく、きっとまだ描いている。

Photo
日曜の朝、美術学部の様子を見に行くと、ゴケが課題にとりかかっていた。音楽を聴きながら集中して描く彼は、背後に立つわたしに気づいていなかった。
2009年3月1日 イフェ、オバフェミ・アウォロウォ大学美術学部にて

(毎週土曜日更新)



著者紹介

緒方しらべ

緒方しらべ (おがた・しらべ)

1980年島根県に生まれる。18歳まで福岡県で育つ。ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)にて学士課程をへて、2005年に同大学院修士課程を修了。2007年より、総合研究大学院大学文化科学研究科にて博士後期課程に在籍。

2003年以来ナイジェリアでフィールドワークに従事し、造形活動にたずさわる人びとをテーマに研究をおこなっている。

(株)清水弘文堂書房

TEL 03-3770-1922 FAX 03-6680-8464

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