民族衣装を着た聖母 近現代フィリピンの美術、信仰、アイデンティティ
古沢ゆりあ 著
民族衣装をまとった聖母像から、近現代フィリピンの歴史と人びとの姿が見えてくる。
若手研究者による、現地フィールドワークにもとづいた像(イメージ)の人類学。
会計学と人類学のトランスフォーマティブ研究
出口正之/藤井秀樹 編著
早川真悠/大貫 一/深田淳太郎/工藤栄一郎/三代川正秀/尾上選哉/古市雄一朗/竹沢尚一郎/山田辰己/石津寿惠 著
会計学と人類学が融合する新領域
月間796億%のハイパー・インフレに見舞われた国で人々はどう対処したのか。貝の貨幣で売買する社会での暮らしと会計とは。営利を目的としない法人のアカウンタビリティはどうあるべきなのか。
自分史 いのちの磁場に生きる 北の農民自伝
星 寛治 著
アサヒ・エコ・ブックス No.39
物心ついてからの、おぼろな記憶をたぐり寄せ、これまでの生の軌跡をたどろうと思って何年になるだろうか。一介の農民の生きざまなど、記録に留めなければ、跡形もなく消えていくばかりだと気づいた頃からである。 ―「まえがき」より
まほろばの地を耕す農民の足跡
山形県高畠町で1973年に有機農業研究会を発足した有機農業の先駆者の一人であり、真壁仁に師事した農民詩人・星寛治さんの自伝です。
若い頃に没頭した青年団活動、りんごの名品種「ふじ」(東北7号)との出会いと有機栽培の試行錯誤、農協の常務理事として有機農業を後押しした一樂照雄さんとの出会いと有機農研の発足、『複合汚染』で高畠町に取材した有吉佐和子さんとの交流、都市消費者との生消提携……など、農業・食・暮らしに影響を与えた人物や団体とのたくさんの交流が語られています。
詩をはじめとする表現活動、教育委員としての試行錯誤、家族との日々の暮らしなども豊かに記録されています。
書きおろしを含む13篇の詩を収録。昭和・平成・令和を貫いて生きてきた東北の農民の記憶と証言です。食と農業の未来へ期待をこめた提言も。
クライメート・チェンジ 新たな環境倫理の探求と対話
吉川成美 監修・著
エヴァン・ベリー/ガイ・カヘーン/ピーター・ヒギンズ/高野孝子/デール・ジェーミソン/豊田光世/イングマー・ペルソン/グスタフ・アリニアス/ジュリアン・サヴァレスキュ/桑子敏雄 著
新たな視座で気候変動の倫理と実践を考える
人間はなぜ気候変動への対応策についてグローバルな合意に至れないのか。その人間性への深い洞察と、前進へのヒントとなる実践例の報告。
- 気候変動という問題に対する個人的責任と集団的責任
- 地域性に根ざした倫理的課題解決
- 気候変動は単独の方法で解決できるひとつの問題ではない
- 気候変動への適応策によってもたらされる未来の不確実性
- 「場」への関心と、「場」に根ざした教育
- 気候変動への対応を難しくしている人間の心理的特性
- 人口倫理学が抱えている課題
- 有機農業運動が生みだす倫理的な互助関係
- 評判を気にする心理を肯定的に利用できる可能性
「パリ協定」に先だつ2015 年にニューヨークで開催された国際倫理会議を再構成。