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	<title>清水弘文堂 &#187; 美術</title>
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	<description>環境学、民俗学の学術書を提供する清水弘文堂の公式ウェブサイトです。</description>
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		<title>大学へ</title>
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		<pubDate>Sat, 23 Apr 2011 00:00:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>緒方しらべ</dc:creator>
				<category><![CDATA[d beauty of 9ja ― 魅するもの、ナイジェリアから]]></category>
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		<description><![CDATA[ナイジェリアには、国公立と私立をあわせて100を超える大学が存在する。とくにこの10年間で、「貧しい人たち」以外は大学を卒業することは常識となりつつあり、大卒でなければ就職も難しい。近年では、よりよい職に就くために修士課 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://www.shimizukobundo.com/wordpress-top/wp-content/uploads/2011/04/dbeautyof9ja-064-20081206-540.jpg" alt="2008年12月6日、プラトー州パンクシン、国立パンクシン教育大学美術学部の教室にて" title="2008年12月6日、プラトー州パンクシン、国立パンクシン教育大学美術学部の教室にて" width="540" height="361" class="alignnone size-full wp-image-6103" /></p>
<p>ナイジェリアには、国公立と私立をあわせて100を超える大学が存在する。とくにこの10年間で、「貧しい人たち」以外は大学を卒業することは常識となりつつあり、大卒でなければ就職も難しい。近年では、よりよい職に就くために修士課程に進学する若者も少なくない。</p>
<p><span id="more-6093"></span></p>
<p>大学へ進学すること、しかしこれがことのほか難しい。人口の増加に比例して受験者数も増えつづけ、とくに有名な大学の入試日は大学も街も対応しきれなくなる。試験前夜は運がよければ教室で、そうでなければ屋外で夜を明かす受験者たち。夜通し試験勉強をする彼らをターゲットに、1本10円ほどの蝋燭も50円にまで跳ねあがる。当日は、椅子など置いていない化学実験室で立ったまま試験問題を解かなければならないものたちもいる。街なかも、交通運賃値上がりと大渋滞でごった返す。</p>
<p>競争率が高いなか、合格点だけでは入学に届かない。かならずと言っていいほどコネが必要なのだ。受験者やその家族が志望大学の関係者や関係者の知人を頼って「懇願する」のは、あたりまえの努力。不合格であれば翌年までまたコネを探しもとめ、受験料をたくわえる。予備校など存在しない。</p>
<p>それでも入学したい、入学させたい――最低限のステイタスを得るには大卒でなければならない現代ナイジェリアの風潮のなかで、若者やその親は切に願う。昨年5度目の入試に敗れた27歳の友人はさらりと言った。<br />
「今年も受けるよ」</p>
<p class="naija-caption"><strong>Photo</strong><br />プロのアーティストたちをゲストスピーカーに迎えた特別授業に出席する美術学部の学生たち。大きな困難をともなう大学受験だが、入学してからも学生たちの苦労は尽きない。個人の抱える経済的な問題にくわえ、ほとんどの国公立大学では、校舎や宿舎の設備やメンテナンスの欠乏による不便さ、衛生問題も深刻である（参考までに、写真右上のように教室の天井が外れかかっているのはよくあること）。さらには、進学もできず就職もない数多くの若者たちの犯罪も社会問題となっている。<br />
2008年12月6日、プラトー州パンクシン、国立パンクシン教育大学美術学部の教室にて</p>

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		<title>リーダー</title>
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		<pubDate>Sat, 16 Apr 2011 00:00:34 +0000</pubDate>
		<dc:creator>緒方しらべ</dc:creator>
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			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://www.shimizukobundo.com/wordpress-top/wp-content/uploads/2011/04/dbeautyof9ja-063-20091025-540.jpg" alt="2009年10月25日　イフェ、イロデ地区のプロテスタント教会にて" title="2009年10月25日　イフェ、イロデ地区のプロテスタント教会にて" width="540" height="361" class="alignnone size-full wp-image-6100" /></p>
<p>アフリカ大陸では、2011年早々からチュニジア、エジプト、コートジボワールで大統領退陣をめぐる市民、政府、軍隊の衝突が相次いで起こっている。リビア情勢も予断を許さない。大陸で非常に緊迫した空気が漂うなか、2011年4月9日、ナイジェリアで選挙がはじまった。16日には大統領選が、26日には州知事選がおこなわれることになっている。<a href="http://www.shimizukobundo.com/d-beauty-of-9ja/17-sky-walkers/">2010年5月に大統領が死去して以来、副大統領が暫定大統領として国を統治してきたが</a>、いよいよ、4年ぶりに新政権・新大統領が選ばれるときがきた。</p>
<p><span id="more-6092"></span></p>
<p>「ナイジェリアには自然資源も人的資源も豊富にある。問題なのは、わたしたちのリーダー」<br />
なかばあきらめた口調で舌打ちとともにぼやかれる、搾取、汚職、贈収賄ばかりで不誠実なナイジェリアの政治家たちへの不満。日常会話で、新聞記事のなかで、ポップ・ミュージックの歌詞のなかで、このセリフに何度出くわしてきたことか。</p>
<p>だが、そんなナイジェリアにも、厚い信頼を寄せられるリーダーたちはたしかにいる。たとえばキリスト教の牧師や神父。毎週少なくとも1回、多いときは毎日教会へ足を運ぶが、リーダーのやり方が気に入らなければ、不満を募らせるまえに、周辺に数十、数百あるほかの教会へ移ればよい。多数決で決定し、最短4年間は変わることのない国や州、地域のリーダーとは異なり、教会のリーダーは、個人個人が自らの意思で評価・選択することができる。</p>
<p>リーダーを慕い、どこまでもついていくみんなの姿を教会で見ていると、この国で地にしっかりと足をつけ団結した人びとの力強さに、圧倒されずにはいられない。</p>
<p class="naija-caption"><strong>Photo</strong><br />日曜の朝、牧師の指揮のもと、教会で5時間祈りつづける人びとの姿。<br />
2009年10月25日　イフェ、イロデ地区のプロテスタント教会にて</p>

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		<title>緑うすき熱帯</title>
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		<pubDate>Sat, 09 Apr 2011 00:00:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator>緒方しらべ</dc:creator>
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		<description><![CDATA[「熱帯アフリカってどんな感じですか？」 大学2年生の立春、アフリカ美術史の恩師にたずねてみた。1960年代にナイジェリアで10年暮らしたイギリス人の恩師は、しわしわの大きな白い手を羽に見たてておしえてくれた。 「ジャング [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="/wordpress-top/wp-content/uploads/2011/04/dbeautyof9ja-062-20091108-540.jpg" alt="" title="dbeautyof9ja-062-20091108-540" width="361" height="540" class="aligncenter size-full wp-image-6065" /></p>
<p>「熱帯アフリカってどんな感じですか？」<br />
大学2年生の立春、アフリカ美術史の恩師にたずねてみた。1960年代にナイジェリアで10年暮らしたイギリス人の恩師は、しわしわの大きな白い手を羽に見たてておしえてくれた。<br />
「ジャングルにはね、こんなに大きな蝶蝶がいるんだよ」</p>
<p><span id="more-6058"></span></p>
<p>それから6年がたち、わたしは熱帯アフリカで木彫家たちと話していた。彼らが口をそろえて言っていたのは、「木がない」、ということ。彫刻に使うのはジャングルに育つベンガルボダイジュやチークといった堅い高木。頑丈であることから、建築や造船、家具などにも使用される。伐採に植林がついていけずに確実に減ってきた木々は、切なき吐息をもらしている。</p>
<p>あの日恩師の研究室に現れた大きな蝶の孫たちが故郷の木々のあいだをのびのびと羽ばたく姿を、見たい。蝶の息吹を感じたい。この地球でわたしたち人間が起こしている問題の多さにただため息をつくだけでは、いけない。</p>
<p class="naija-caption"><strong>Photo</strong><br />トインの弟のシェグンが、水タンクの土台までのぼり、竹棒を使ってココナッツの木になる実をとろうとしている。植物の好きなトインの母親は、自宅敷地内にココナッツ、マンゴー、カシュをはじめたくさんの木々を植えている。大都市ラゴスの庶民の住宅地ではめずらしいことだ。この木は、およそ20年まえにトインの母親が植えた。<br />
2009年11月8日　ラゴス、アラバドのトインの実家にて</p>

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		<title>人間たちのいる場所で</title>
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		<pubDate>Sat, 02 Apr 2011 00:00:59 +0000</pubDate>
		<dc:creator>緒方しらべ</dc:creator>
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		<description><![CDATA[眠るその娘を見つめながら、ふと、想像してみる。80歳になった彼女はココナッツの木陰で腰かけて、何を思うのだろう。 寄りそって助けあい、傷ついて慰めあう。嫉妬して奪いあい、抱きあって笑いあう。相手につよさを求めたり、弱さを [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://www.shimizukobundo.com/wordpress-top/wp-content/uploads/2011/04/dbeautyof9ja-061-20090215-540.jpg" alt="" title="dbeautyof9ja-061-20090215-540" width="540" height="361" class="alignnone size-full wp-image-6038" /></p>
<p>眠るその娘を見つめながら、ふと、想像してみる。80歳になった彼女はココナッツの木陰で腰かけて、何を思うのだろう。</p>
<p>寄りそって助けあい、傷ついて慰めあう。嫉妬して奪いあい、抱きあって笑いあう。相手につよさを求めたり、弱さを許したりする。探しもとめて、見つけて、やっとつかんだと思ったら、手からするりと落ちる。人間がふたり以上いる場所で、心はいつも忙しかった。ひとりならそんなことは起こりえなかっただろうに――懐かしさが胸をよぎって、彼女は母の背なかを思い出してみる。ぬくもりはいまもなお、彼女をやさしくつつみこんだ。</p>
<p><span id="more-6037"></span></p>
<p>両親に抱かれ、兄や姉たちに手をひかれていたあの頃。どこにいても、どこへ行くにも、いつもみんなと一緒だった。幼稚園の制服を買うお金がなかったなんて、食べものをろくに買えなかったなんて想像したこともなかった。何を着ていたのかも、何を食べていたのかも覚えていない。どのくらい寝て、どれだけ泣いて笑っていたのかも思い出せない。でもひとりだったことはなかった。傷ついたことも、誰かを傷つけたことも、まだなかった。</p>
<p>老婆は立ちあがり、小さな丸い背をゆっくりと伸ばした。開かぬまぶたに差しこんだ木漏れ日は、ゆっくりと歩きだす彼女をおだやかに導く。ココナッツの葉は、静かに揺れている。</p>
<p class="naija-caption"><strong>Photo</strong><br />アーティストのパパケイの奥さんの背で眠る三女のオペ。日曜礼拝を終え、教会の外の広場でふたりは帰りのバスを待っていた。5時間祈りつづけたおとなたちと一緒に過ごしたオペは、疲れ果ててぐっすり眠っている。<br />
2009年2月15日　イフェ、イロデ地区のプロテスタント教会のまえにて</p>

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		<title>タイヤよ、歩きつづけ</title>
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		<pubDate>Sat, 26 Mar 2011 00:00:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator>緒方しらべ</dc:creator>
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		<description><![CDATA[街でふと、バイク修理工の足もとに目をやった。黒のゴム地にシンプルなデザインで、鼻緒のむすび目の赤がアクセントのサンダル。少々ごつそうにも見えるけれど、その格好のよさにわたしもひとつ欲しくなる。友人に話すと、「ああ、アデジ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="/wordpress-top/wp-content/uploads/2011/03/dbeautyof9ja-060-20100702-540.jpg" alt="2010年7月2日　イフェ、イレモ地区のアフォラヨンの工房にて" title="2010年7月2日　イフェ、イレモ地区のアフォラヨンの工房にて" width="361" height="540" class="aligncenter size-full wp-image-5931" /></p>
<p>街でふと、バイク修理工の足もとに目をやった。黒のゴム地にシンプルなデザインで、鼻緒のむすび目の赤がアクセントのサンダル。少々ごつそうにも見えるけれど、その格好のよさにわたしもひとつ欲しくなる。友人に話すと、「ああ、アデジャのこと？　あんなものが欲しいの？」と笑いながら、店へ連れて行ってくれた。</p>
<p><span id="more-5930"></span></p>
<p>店の入り口には、古タイヤを開いて延ばしてペロンとした長いゴムが縦に横にすだれのように垂れさがっていた。アデジャは使えなくなったタイヤからつくられる。何十万キロもの道を走りぬけてここへたどり着いたのだろう。幾度の衝突・脱輪を経験してきたのか――この世に生まれて刻まれた深い凹凸のなくなったタイヤを、なでてみる。なめらかなはずの表面は砂とゴム粕に覆われて、なおざらざらしている。</p>
<p>友人はおしえてくれた。アデジャとは「荒れ地でも歩いていける」という意味だと。</p>
<p>両足でタイヤを踏みしめる。生まれて、生きぬいていくタフさに触れた。</p>
<p class="naija-caption"><strong>Photo</strong><br />仕事中の手を止め、遠視用眼鏡をかけ、鼻緒ずれする買ったばかりのわたしのアデジャの鼻緒を彫刻刀で丹念に削ってくれる木彫家のアフォラヨンさん。安価（1足約150円）で丈夫なアデジャは足もとの悪い場所で重宝するため、農夫や労働者が履くことが多い。<br />
2010年7月2日　イフェ、イレモ地区のアフォラヨンの工房にて</p>

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		<title>Up NEPA!</title>
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		<pubDate>Sat, 19 Mar 2011 00:00:47 +0000</pubDate>
		<dc:creator>緒方しらべ</dc:creator>
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		<description><![CDATA[コンクリートの床に転がって涼んでいると、向かいの部屋のトスィンがやって来てドアをノックした。つけ毛をほどくのではさみを貸してほしい、と。 風通しのよい玄関の階段に腰かけ、自毛に編みこんだつけ毛をひとつひとつほどいていくト [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="/wordpress-top/wp-content/uploads/2011/03/dbeautyof9ja-059-20100522-540.jpg" alt="" title="dbeautyof9ja-059-20100522-540" width="540" height="361" class="alignnone size-full wp-image-5928" /></p>
<p>コンクリートの床に転がって涼んでいると、向かいの部屋のトスィンがやって来てドアをノックした。つけ毛をほどくのではさみを貸してほしい、と。</p>
<p>風通しのよい玄関の階段に腰かけ、自毛に編みこんだつけ毛をひとつひとつほどいていくトスィン。ひんやりと気持ちのよい階段にわたしも座ってみる。電気が来ないとこの暑い午後に扇風機をまわせない。</p>
<p><span id="more-5922"></span></p>
<p>大学の試験の話、彼氏の話、それから実家の話になって、トスィンは目を輝かせて言った。テクノロジーの国、日本のことをもっと聞かせてよ、と。</p>
<p>日本の「不自由のなさ」を話すと、彼女は笑って言った。この国で「アップ・ネパ（Up NEPA）！」を知らずに育つ子どもなんていないわ、と。</p>
<p>「アップ・ネパ！」とは電気が復旧した瞬間に光を浴びて発せられるナイジェリア国民の合言葉。日に何度も、あるいは数日ぶりに、ときには数週間・数か月ぶりに耳にする。</p>
<p>不便さといらだち、そしてここで生き抜くみんなのつよさと明るさを身に染みこませながら、ぽかりと自国を思った。便利さの果てには何があるのだろうか、と。</p>
<p class="naija-caption"><strong>Photo</strong><br />つけ毛をほどくトスィン。ネパとは、ナイジェリアの電力会社名の略称（NEPA＝National Electric Power Authority）。ネパは2005年にPHCN（Power Holding Corporation of Nigeria）に改名したが、いまでもネパという言葉は国民に親しまれており、停電すれば、落胆して失望に溢れた「あ～あ、ネパ……」の声が発せられる。復旧すれば「やったーネパ！　電気が戻った　（アップ・ネパ）!」という歓喜と希望に満ち溢れた声が起こり、自家発電機のある家の近辺では騒音がただちに消え、テレビや音楽プレーヤーから華やかな音がしてくる。ちなみに、ネパとは「電気なんて決していつも期待できるようなもんじゃない（NEPA＝Never Expect Power Always）」の略であると、ナイジェリア国民は皮肉を言う。なお、ナイジェリアはおもに水力発電を利用。<br />
2010年5月22日　イフェ、モダケケ地区の下宿にて</p>

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		<title>美味</title>
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		<pubDate>Sat, 12 Mar 2011 14:40:03 +0000</pubDate>
		<dc:creator>緒方しらべ</dc:creator>
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		<description><![CDATA[帰国してこのトウモロコシのことを母に話すと、「そう言えばわたしがまだ小さかったころ、そういうすっごく硬くて甘くないの食べてたわ」と、懐かしげに思い出していた。 6月から9月の雨季の盛り、ナイジェリアで豊富に実るトウモロコ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://www.shimizukobundo.com/wordpress-top/wp-content/uploads/2011/03/dbeautyof9ja-058-20110312-01-540.jpg" alt="2010年7月3日、イフェ、モダケケ地区の下宿にて" title="2010年7月3日、イフェ、モダケケ地区の下宿にて" width="540" height="361" class="alignnone size-full wp-image-5893" /></p>
<p>帰国してこのトウモロコシのことを母に話すと、「そう言えばわたしがまだ小さかったころ、そういうすっごく硬くて甘くないの食べてたわ」と、懐かしげに思い出していた。</p>
<p>6月から9月の雨季の盛り、ナイジェリアで豊富に実るトウモロコシ。畑を持つ友人たちを訪ねると、もぎたてのトウモロコシを帰り際に持たせてくれる。</p>
<p>朝7時をまわれば住宅地に響きわたる、いつものメロディにのった「オギ」売りの声。女性たちが頭にのせて歩いて売っている。「オギ」はトウモロコシ粥のもとで、熱湯で溶かして、朝食にすることが多い。午後から日没まで街のいたるところで買えるのは、あつあつの焼き（または茹で）トウモロコシ。女性たちは炭火のうえに敷かれた網のうえでトウモロコシを転がしながら、こんがりと焼いている。夕方から夜にかけては、コーンスターチを蒸して豆腐のようにした「エコ」が売られる。これはご飯の代用で豆や青菜のおかずが添えられる。帰宅途中の人びとでにぎわう交差点で、女性や子どもたちが「エコ」のつまった大きな桶のまえでしゃがんで客を待っている。</p>
<p>ひたすら硬くて全然甘くない9jaのトウモロコシ。なぜかいつも食べてしまうのは、それしか売っていないからなのか、安いからなのか。いや、やっぱりすごく美味しいから、か。</p>
<p class="naija-caption"><strong>Photo</strong><br />夕飯をつくる元気がない、という晩には、帰りがけに茹で（または焼き）トウモロコシ（中央）や「アウサ」という木の実を茹でたもの（右手まえ）、バナナ（左）やオレンジ（右奥）などを買って帰る。トウモロコシ屋のおばちゃんも、果物屋のおばちゃんも、いつも「きょうはどこへ行ってきたのかい？　おつかれさまだったね。ひとつまけてやるからね」と言って、1日おきにそこで買い物するわたしをお得意様として、娘として、大事にしてくれた。<br />
2010年7月3日、イフェ、モダケケ地区の下宿にて</p>

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		<title>天気予報</title>
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		<pubDate>Sat, 05 Mar 2011 00:00:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>緒方しらべ</dc:creator>
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		<description><![CDATA[夕方4時をまわればいつだって気にしてしまう、空の色。風が舞い、椰子やバナナの木々がざわめく。灰色の雲がぐんぐんと押し寄せて、淡い水色の空を覆っていく。ところどころ、その隙間から光がまだわずかに差しこんでいる。 露店のパラ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://www.shimizukobundo.com/wordpress-top/wp-content/uploads/2011/03/dbeautyof9ja-057-20091002-540.jpg" alt="2009年10月2日　イフェ、モダケケ地区の下宿の2階バルコニーにて" title="2009年10月2日　イフェ、モダケケ地区の下宿の2階バルコニーにて" width="361" height="540" class="aligncenter size-full wp-image-5804" /></p>
<p>夕方4時をまわればいつだって気にしてしまう、空の色。風が舞い、椰子やバナナの木々がざわめく。灰色の雲がぐんぐんと押し寄せて、淡い水色の空を覆っていく。ところどころ、その隙間から光がまだわずかに差しこんでいる。</p>
<p><span id="more-5802"></span></p>
<p>露店のパラソルの縁がはためく。支柱の鉄パイプと重石のコンクリートブロックは耐えている。店主たちは商品に透明のビニルシートをかぶせる。客たちは足早に去っていく。電線が揺らめき、家々から音と明かりが消える。</p>
<p>「オジョンロ、サレオー（雨が降るぞ、走れ）」<br />
後ろから聞こえてきた声に押され、走りだす。</p>
<p>大粒の雨と落雷で天地がどよめく。家や軒下で、人もヤギも、静かに待っている。</p>
<p class="naija-caption"><strong>Photo</strong><br />雨季の夕立が降りだす直前の空。灰色の雲が空を覆い尽くすと、10分もしないうちに大雨が降りだす。テレビやラジオ、新聞やインターネットで天気を確認することがほとんどないナイジェリアの暮らし。そこでは、空を見上げ、風を受ける。人びとの動きを見て、声を聴く。それが天気予報を知るということだ。<br />
2009年10月2日　イフェ、モダケケ地区の下宿の2階バルコニーにて</p>

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		<title>8年間の監獄生活</title>
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		<pubDate>Sat, 26 Feb 2011 00:00:03 +0000</pubDate>
		<dc:creator>緒方しらべ</dc:creator>
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		<category><![CDATA[アフリカ]]></category>
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		<description><![CDATA[ロンドンには、数えきれないほどのナイジェリア人が暮らしている。イギリスの旧植民地であったナイジェリアは、いまでも旧宗主国イギリスと切っても切り離せない関係をもつ。通りでわたしを追い越す急ぎ足の男性たち、地下鉄のベンチに腰 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://www.shimizukobundo.com/wordpress-top/wp-content/uploads/2011/02/dbeautyof9ja-056-20110218-540.jpg" alt="2011年2月18日　ロンドン、サウス・トッテナムのティティの部屋にて" title="2011年2月18日　ロンドン、サウス・トッテナムのティティの部屋にて" width="540" height="359" class="alignnone size-full wp-image-5782" /></p>
<p>ロンドンには、数えきれないほどのナイジェリア人が暮らしている。イギリスの旧植民地であったナイジェリアは、いまでも旧宗主国イギリスと切っても切り離せない関係をもつ。通りでわたしを追い越す急ぎ足の男性たち、地下鉄のベンチに腰掛けて携帯電話で話す清掃員の男性……たった5日間のロンドン滞在で、何度も耳にしたナイジェリアの言葉。</p>
<p><span id="more-5779"></span></p>
<p>ティティはイギリスに住んで8年になる。この異国の街でたったひとりの肉親である長女のイフェユンワはもうすぐ3歳に。来月イフェユンワの弟が生まれれば、肉親はふたりに。子どもたちのしあわせと自分のキャリアをつむこと、いまはそれだけをかんがえて生きている。経済的困難や法律上の問題などから、いつナイジェリアへ帰ることができるのかわからない。</p>
<p>「イギリス人からの差別はもちろん、ここに住むナイジェリア人もひどい。ナイジェリアの心を忘れて、ロンドンで生き抜くために悪魔になってく。信頼できる人なんてこの国に誰ひとりいない。ここはもう監獄よ」</p>
<p>それでも神を信じているから怖くない、あきらめない。神は解けない問題をわたしたちに与えはしない――それはまだ幼かったころ、故郷の母親が熱心に教えてくれたことだった。</p>
<p class="naija-caption"><strong>Photo</strong><br />姉のトインからの手紙を読むティティと、その横でテレビを観ているイフェユンワ。トインは2009年12月にこの手紙を書き、家族の誰よりもはやくロンドンへ行くことのできるわたしに託した。<br />
2011年2月18日　ロンドン、サウス・トッテナムのティティの部屋にて</p>

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		<title>ホーム・エンターテイメント</title>
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		<pubDate>Sat, 19 Feb 2011 00:00:53 +0000</pubDate>
		<dc:creator>緒方しらべ</dc:creator>
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		<category><![CDATA[芸術]]></category>

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		<description><![CDATA[9jaにはレジャースポットが少なく、大都市の一部の地区を除けば娯楽施設はまったくない。国内の8割を超える人びとには余暇にお金をかける余裕もない。たとえ余裕があっても、インフラの不整備で道は悪く治安も不安定だから、目的地ま [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://www.shimizukobundo.com/wordpress-top/wp-content/uploads/2011/02/dbeautyof9ja-055-20100620-540.jpg" alt="" title="dbeautyof9ja-055-20100620-540" width="540" height="361" class="alignnone size-full wp-image-5730" /></p>
<p>9jaにはレジャースポットが少なく、大都市の一部の地区を除けば娯楽施設はまったくない。国内の8割を超える人びとには余暇にお金をかける余裕もない。たとえ余裕があっても、インフラの不整備で道は悪く治安も不安定だから、目的地まで簡単にたどり着けない。でもみんな、余暇を持たないわけでもその楽しみかたを知らないわけでもない。</p>
<p><span id="more-5729"></span></p>
<p>たいてい家族と自宅で過ごすか、友人の家を訪ねて過ごす9jaの余暇。しょっちゅうやってくる停電を覚悟しながら、できる限りで発電機をスタンバイさせてサッカー中継や映画を観る。裕福な家庭は衛星テレビを受信して海外の映画やテレビ番組を観るけれど、国民一般にポピュラーであるのはDVDやVCDで観るナイジェリア映画や欧米・香港映画の海賊版。販売店やレンタルショップは街にいくつもあり、1枚100円程度の安価でもとめられる。今やナイジェリアの映画産業は、アメリカのハリウッド、インドのボリウッドにつぐ規模となり、「ナリウッド（Nollywood）」として世界で知られている。</p>
<p>電気が消えてしまえば、みんなで話しつづける。話し疲れたら、薄暗い室内で一緒に昼寝する。映画館、劇場、動物園、遊園地、ショッピングモール、ゲームセンター、レストラン、ピクニック、ハイキング、スキー、釣り、海水浴場、温泉……わたしが生まれ育った環境にはレジャーやエンターテイメントがあたりまえのようにたくさんあるのに、この9jaの余暇が、わたしにはうらやましく思える。</p>
<p class="naija-caption"><strong>Photo</strong><br />ワールドカップの試合を観戦する友人たち。<br />
2010年6月20日　ラゴス、アジェグンレのシェグンの家にて</p>

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