2012年1月15日

写真: 移民の食卓も守るアボカド。アメリカ、ペンシルバニア州にて
昼食至上主義
レイナの闘病生活がはじまって2年がたった。いちばんの変化は、昼食の献立から肉が消えたこと。治療費と薬代をひねりだすために食費が削られることになったのだ。レイナは幼稚園の給食婦をしていたくらいだから、料理の腕には自信がある。自分の料理をおいしそうに食べる家族の姿を見るのがなによりの楽しみだった。それが昔なら鶏肉が盛られていた皿に、いまではスパゲティか生野菜が添えられているだけ。「こんなへんな料理で悪いね」と言いながらレイナが料理をとりわけてくれるのだが、本人が一番つらいことを知っているので返答に困ってしまう。
昼食の時間が近づくと、通りには胃袋を刺激するにおいが充満し、にわかに人の往来が激しくなる。職場から昼食を食べに帰る人たちや、母親からおつかいを頼まれた子どもたちだ。ドミニカの地方都市で定食屋をあまり見かけないのもうなずける。あるいは、旧宗主国であるスペインの影響がこんなところに残っているのだろうか。家族がそろって食事をとり、シエスタ(昼寝)を挟んで、ふたたび仕事に出向く。昼食が一日の中心という考えかたである。鶏かな? 魚かな? 頭のなかは今日の献立で一杯なのだろう、すれ違う人の表情もどこか明るい。
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カテゴリー:野球+越境する漂流者たち
2011年12月31日

d beauty of9ja――誰かに経験と思いを伝える文章を手紙以外で書いたのは、これがはじめてだった。本をろくに読まず、ボキャブラリーが貧困なわたしが、文章をとおして、人になにかを伝えようとしている。そうして過ごしてきたこの2年間が、信じ難くもある。
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カテゴリー:d beauty of 9ja ― 魅するもの、ナイジェリアから
2011年12月24日

人口約40万のイフェに、アーティストと呼ばれるひとたちは100~500人いるといわれている。そのうち66人と出会ったが、国内外で有名なアーティストはひとりかふたり、いるかいないか。
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2011年12月17日

木彫家アフォラヨンの自宅を訪ねた。15年の歳月をかけて建てたばかりの平屋の扉は重く頑丈だが、窓枠には白色の厚手のビニルシートがさげてあるだけで、網戸も窓ガラスもはめられていない。壁は内側も外側もコンクリートのままで、屋根には数十枚のトタンがのっかっているだけ。光の入らない居間に並べられた椅子とテーブル、ドアのないふたつの部屋の入り口にかけられた布の隙間から見える寝具、ガス台のない台所の床に重ねられた食器は、アフォラヨンがここに家族と住んでいることを静かに告げる。
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2011年12月10日

どうしようもない状況で9jaの人びとは祈る。でもそれは、困ったときの神頼みではない。
彼らはいつも、毎朝目ざめてすぐ、仕事をはじめるまえや旅立つまえ、食事のまえや集会の終了後、そして1日の終わりに、祈っている。貧富の差、権力ある者から弱き者への搾取、何十年待っても整わぬインフラなど、多くの人びとにとって、3度の食事やきょうの仕事、通学や進学もままならない。
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2011年12月3日

かつてこの土地では、ヨルバの神々をあがめる信仰のために盛んに木が彫られていた。儀礼のための道具や太鼓、神像や祠の柱にも、人物や動物の具象的な像をあしらった装飾がほどこされていた。19世紀にイスラム教とキリスト教が布教するまえのことだ。
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2011年11月26日

「I miss you――会いたいわ」
電話の向こう、大陸を越えた外国にいる夫にそう言っていたママ・ブリジッタ。話のほとんどはエヴェ語(ガーナ南西部を中心に話されている言語)でわからなかったけれど、この英語はいつも下宿の居間から、庭から、ベランダから聞こえてきていた。
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2011年11月19日

雨期もたけなわ、ヨルバの地ではエグングンと呼ばれる祖先崇拝の祭がおこなわれる。キリスト教とイスラム教が主流となったこの国では、土着信仰である祖先崇拝はわずかな信者たちによってひっそりとしかおこなわれなくなった。それでも祭囃子と熱気に誘われれば「信仰」はにのつぎ。映画館や水族館、サッカー場もテーマパークもないこの地で年に1度の「あおぞらエンターテイメント」は、人びとを集わせ、魅了する。
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2011年11月12日

「アートをやるようになったきっかけってなんですか?」
街のアーティストたちにたずねてみる。
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2011年11月5日

11月とは思えないほどに汗ばむ陽気の午後、自動販売機のまえで立ちどまって選んだのはパイナップルジュースだった。甘くて濃い果汁をストローで吸い込みながら思い出したのは、いまにも消えそうな声で妹が口にした「パイナップル……」のひと言。
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