2009年7月28日

写真:ドミニカ共和国バニ市近郊の海岸にて。拡大家族の休日
2008年9月29日――旅立ちの日
首都サントドミンゴからバスで1時間半ほど西へ向かうとバニ市に到着する。そこからモトコンチョ(バイクタクシー)で10分ほどのところに私の調査地、ロス・バランコネスがある。大きなボストンバッグを片手で支える運転手。ホンダ製のスーパーカブはヨタヨタと走っていく。ふり落とされぬように運転手の背中にしがみつきながら懐かしい風景をながめていた。エンパナーダ(小麦粉を練った皮に肉などを詰めて揚げたもの)を揚げるかおりにドブに溜まった汚水の悪臭がまじる。ゆきかう車が猛烈なクラクションをかき鳴らし、頭上からは熱帯の太陽が照りつける。日本でなまけていた私の身体中の感覚が一気に覚醒した。
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タグ:スポーツ, ドミニカ, フィールドワーク, 人類学, 移民, 窪田暁, 野球
カテゴリー:野球+越境する漂流者たち
2009年7月24日
またまたやってしまいました……。前回のブログ更新から1か月経過。もう言い訳はしまい。ただ、ただ、反省あるのみ。
上野武著『大学発地域再生―カキネを越えたサステイナビリティの実践―』が先週から書店に並んでいます。ぜひご覧ください。前回のブログで書いた、窪田暁のドミニカブログも第2回目を近日更新予定です。現在、著者はドミニカ滞在中ですが、現地からホットな情報を盛りこんだ原稿を送ってきてくれています。第1回目から第2回目の更新に時間がかかってしまいましたが、これからはドンドン更新予定ですので、こちらもお楽しみに。
一昨日発売された「逗子3兄弟」のアルバムを聴きながら、PCで事務作業。梅雨明けたと思ったのに、雨降りの毎日。気分が落ちこみます。いろいろやることもたまっております。夏だけれども、うかれることなく、気合い再注入しなければなりませんね。明日からは石川県珠洲市。遊びじゃありません、お仕事です。能登半島でパワーをもらってきます。
タグ:ドミニカ, 上野武, 夏, 大学発地域再生, 窪田暁
カテゴリー:清水弘文堂書房のその日、その月
2009年6月12日
月日をおうごとに日差しが強くなり、夏到来の気配を感じる今日このごろ。弊社編集室がある海辺の町も、週末になると賑わいをみせるようになりました。波音を聞きながら、ビール片手に、ページをくくる……そんなことが楽しい季節。梅雨なんていらないのに、と誰もが思うのですが、これが毎年懲りずにやってくる。雨音と波音と読書、なんてのも風流かもしれません。
さて、本日より新たな連載ブログを開始します。若手の文化人類学者がドミニカ共和国と野球について、また、現地での暮らしぶり、自身の葛藤などを徒然と綴ります。「フィールドワーク」「野球移民」など聞き慣れない言葉が多いと思います。また、「文化人類学」って何? 「ドミニカ共和国」ってどんな場所? と思う人もいるかもしれません。月1、2回の更新になるかと思います。また、著者が現地訪問のあいだ、更新が滞るかもしれません。計40回のドミニカ彷徨、どうぞご覧あれ。
タグ:スポーツ, ドミニカ, フィールドワーク, 人類学, 窪田暁
カテゴリー:清水弘文堂書房のその日、その月
2009年6月12日

写真:ドミニカ共和国の首都サント・ドミンゴにて、カリブ海を望む
ドミニカ共和国
ニューヨークからサント・ドミンゴに向かう飛行機がゆっくりと高度を下げていく。機内は、故郷に帰る移民たちの熱気に包まれており、そのなかに身をゆだねているだけで、お尻のあたりがムズムズしてくるのがわかる。こちらが聞いてもいないのに、故郷で待つ家族のことやアメリカでの生活についてまくしたてていたおじさんが神妙な顔つきで窓の外をながめている。その足元には免税店で買い求めたのであろうジョニーウォーカーが2本。我慢ができなかったとみえて1本はすでに封が切られていた。
ドミニカ共和国(以下、ドミニカ)はカリブ海に浮かぶ島嶼群のひとつ、大アンチル諸島に属するイスパニョーラ島にあり、隣国ハイチとその領土をわけあっている。面積は九州より少し大きく(約48,000km2)、人口約900万の国である。おもな産業はサトウキビ栽培を中心とした農業であったが、近年は砂糖の国際価格の低迷により国家収入を観光と海外送金による外貨獲得に依存するようになっている。
1492年にコロンブスが到着して以降、ドミニカは険しい道のりを歩んできた。先住民のタイノ族はスペイン人がもたらした疫病と強制労働が原因で、わずか80年間で絶滅にいたった。タイノ族の役割は、西アフリカから連れてこられた奴隷に引き継がれた。スペイン、ハイチ、アメリカとめまぐるしく替わる宗主国に翻弄されながら、独立をはたしたとはいえ現在もなおアメリカによる政治経済的支配下におかれている。
11月を過ぎ乾季がはじまると、カリブ海沿いのリゾート地は休暇で訪れる欧米からの観光客でにぎわいはじめる。美しい砂浜に建つリゾートホテルには、宿泊する欧米人と低賃金で働くドミニカ人従業員。24時間供給される電気は近隣住民がロウソクの灯りで夕食をつくることでまかなわれている。南北格差の現実を前に言葉を失ってしまうが、当事者ではない私は目に見えぬ相手への闘争心と諦念という感情をもてあますことしかできない。
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カテゴリー:野球+越境する漂流者たち