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清水弘文堂書房のその日、その月

時代おくれ

2009年3月10日

活字は時代おくれでしょうか? 

「活字離れ」がいちじるしい昨今、出版業界からは「大変だ」「苦しい」などネガティブな声しか聞こえてきません。昨年のリーマン・ショック以降、社会全体に暗雲が垂れこめており、ほかの業界からも悲痛な声が聞こえてきます。しかし、もともと構造不況の出版業界は「さらにひどい状況」になっただけのこと。弊社のような零細出版社にとっては打破すべき状況にかわりはありません。

「さらにひどい状況」のなか、出版業界もいろいろな試みをしています。書籍を紙以外の媒体で読むのもあたりまえの世の中になっています。PC、ゲーム機、iPod、携帯……と媒体を挙げればきりがありません。携帯小説で流行し、書籍に逆輸入するケースもめずらしくありません。中国で発明された活字は広がりをみせています。「活版印刷」なんて言葉はもう死語でしょうね。草葉の陰でヨハネス・グーテンベルグはなにを思っているのでしょうか。

弊社もいろいろな道を模索中です。ですが、それらに傾注するあまり、本来の道を踏み外してはいけません。バランスが大事なのです。安直な文化論を語るつもりはありませんが、「活字文化と心中する」心意気は大事でしょう、きっと。

阿久悠作詞、森田公一作曲で河島英五が唄う「時代おくれ」という曲があります。最後の部分の歌詞は以下のようになっています。

「目立たぬように はしゃがぬように 似合わぬことは 無理をせず 人の心をみつめつづける 時代おくれの男になりたい」

あまりに時代おくれでは困りますが、「時代おくれの出版人」でありたいとも思うわけです。

(株)清水弘文堂書房

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