犬ごころ、人ごころ


犬も人も、「悟り」具合は大差ない?!

2015年5月1日

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久しぶりの投稿です。今回からしばらくの間、私のアタマから離れない普遍のテーマについて、少し述べていこうと思います。

それは「なぜ、私(人)はこれほどまでに犬に心を奪われてしまうのか?」
ということです。

そして、このテーマと向き合っていると、犬という動物のことはもちろん、結局、「人とは」ということにまで及んでしまいました。もちろんそんな壮大で深遠なテーマについて、結論に至るはずがありません。ただ、人が犬と暮らすという行為の本質の一部が見えてきたと感じているこの頃です。

命尽きるまで続く 犬の眼の純粋さに人は及ばない

命尽きるまで続く
犬の眼の純粋さに人は及ばない

なぜ今回からこのテーマを書きはじめたのかといえば、それはしばらく前にワイドショーで流れていた、ドッグショーの入賞犬の毒殺というイギリスで起こった事件http://www.cnn.co.jp/showbiz/35061493.htmlがキッカケです。このニュースで心を痛めた方も多くいらっしゃるでしょう。日本でもブリーダー(と呼ばれる人)による大量不法投棄事件など犬関連のニュースも増加していますが、自分の愛犬であるゴールデン・レトリーバーの本場であり、日本よりはペット先進国と私が思っていたイギリスでもこのような事件が起こったのには少なからずショックでしたし、暗澹たる気持ちになりました。TVコメンテーターも人間のエゴ”の現れだと言っていましたが、まさにその典型です。私はこのブログで“犬は飼い主を写す鏡”と述べてきましたが、これらの事件は鏡の域を越えて、幼稚なエゴが直接的に犬の命そのものに被害が及んでしまった悲しい事件です。

この事件のように、犬を巻き込んだ歯止めがきかないエゴの放出は論外ですが、私も20年弱、犬とともに暮らし、さまざまな犬や飼い主さんとも接してきて、確かにそこにはエゴの品評会のような一面を感じますし、犬は弱い存在ですから、人のエゴも反映しやすいと言えるでしょう。“鏡”と表現しているのも「犬のフリみて我がフリ直せ」という意味も含んでいるからです。

しかし人のエゴがなくなるはずはありません。なくなることがいいことだとも思いません。大切なのはそのコントロールということでしょう。ただ自分のエゴのコントロールは、基本的に他者による介入ではなく自力で行いますから、困難を極めることだということに異論はないでしょう。

無意識に人が行ってしまう上から目線からをやめると違う犬の世界が見えてくる

無意識に人が行ってしまう上から目線からをやめると
違う犬の世界が見えてくる

では、犬との暮らしという分野で自分のエゴをうまくコントロールするにはどうすればいいのでしょうか。そのために私が至ったささやかな結論があります。それは、「犬と人の心の“悟り”具合は大差ない」ということです。人は優れた知能で言語や科学技術を駆使し、文明を築いてきました。その圧倒的な優位性は疑う余地はありません。

しかし「悟り=悟性」の分野に限れば、犬も人も大差ないのではないか、場合によっては犬の方が悟りを開いているとさえ思えます。人は超がつくほど複雑で高度で、かつ広大な世界のなかに生きていますから、エゴも当然超がつくほど複雑で高度で広大ですから、人間の優れたポテンシャルを持ってしても、悟ることは現時点でも不可能に近い行為でしょう。

一方、犬は生き物全体でみれば高度に進化していますが、人と比べるとエゴも含めて格段にシンプルです。そしてその進化とエゴのバランスは、人と大差ないと思えるのです。いや、逆にシンプルな分だけバランスがとれているのかもしれません。お前の方が悟っているなと感じる瞬間があることを、犬を飼った経験がある人なら解っていただけると思います。

こんな光景も美しいだけでなく、 もっと深い意味さえ感じさせてくれる

こんな光景も美しいだけでなく、
もっと深い意味さえ感じさせてくれる

要するに「悟り=悟性」の点では犬と人は対等だと言うことです。心底から人の側がそう思えれば、多くの人が無意識にやってしまうドッグライフ最大の障壁のひとつ「人間の上から目線」が消えていきます。この「上から目線」を消すことが充実した犬との暮らしの上で不可欠なことなのです。

<以下次回>


著者紹介

池野谷 健二(いけのや けんじ)
Editor, Photographer, Writer, DTP Director
湘南・鵠沼在住
ken [at] dogphoto.jp ([at] を @ に変えてください)

出版社勤務を経てから平成2(1990)年に独立。様々な編集・制作業務に携わり、20年以上にわたる雑誌編集長のキャリアも持つ。現在はフリーとして活動中。

1997年、ゴールデンレトリーバーのセナ(♂)を飼い始めたことがキッカケで犬の撮影を始め、2002年に2匹目のアンディ(♂)も家族の一員に。それからは愛犬が生活の中心にいるという生活となる。2010年4月、初代のセナが亡くなり、2011年3匹目のディロン(♂)が家族に加わり、現在は2匹のゴールデンとともに暮らしている。

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