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一人企業


Co-Working Space

2010年12月23日

今回は、一人企業の働き方を支援する環境についていくつかの事例を紹介したいと思います。

Co-Working Spaceという考え方

「コワーキング・スペース」(Co-Working Space)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、自立した個人としてのプロフェッショナルが実作業をするオフィスを共有する共同スペースであるとともに、このような働き方やオフィスの構え方についての考え方も表現しています。一人企業という考え方において、「働く(working)ためのスペース(Space)を共有(co)する」という視点に特化した考え方です。それぞれに専門分野を持っている一人企業が、自分(自社)のオフィスを個別に構えるよりも、オフィススペースを共有した方が、コストの面でも、仕事の効率の面でもずっと合理的である、という発想からきています。

例えば、The Hubと呼ばれる「コワーキング・スペース」は、現在、世界23の都市に拠点を展開しています。The Hubは、ソーシャルビジネス、社会起業家のために特化した「コワーキング・スペース」として知られており、世界中に6千人を超える会員がいます。時間単位や月額などの支払いで気軽に利用することができ、会員の種別に関係なく、メンバー同士のメーリングリストやそこで開催されるイベントへの無料参加、会議室の割引利用などが提供されます。さらに、無制限プランの場合、郵便ボックスやロッカールームも使用できます(こちらの記事で詳しく紹介されています)。

日本国内にも、ちよだプラットフォームスクエアや、「コワーキング・スペース」とは少し違いますが筆者の友人らが会社のスペースをHacker Spaceとして公開するなど、同様のシステムが拡がりつつあります。

また、以前の記事でも紹介したOpen Network Labでも、Seed Acceleratorプログラムに選抜されたチームのみ利用できるというクローズドな環境ではあるものの、「コワーキング・スペース」と同様の機能を享受することができます。

一人企業の働き方

「コワーキング・スペース」という考え方は、一人企業時代の働き方として、ひとつの理想的なあり方を提示してくれています。それは、個人が、それぞれの専門性を持ち、同時に、自らの事業に対して当事者意識を持って、情熱的に仕事をするあり方を、リアルな場所として実現しているからです。流動的で、組織のヒエラルキーに縛られず、本人の持つスキルや人間的な魅力でつながり合って、仕事をしていくという意味で、「互恵的な利他主義」という言葉は、なかなか的を射ているといえそうです。

筆者の経験から、前述のOpen Network Labについて考察するなら、たんにラボスペースを無償で利用できるということに留まらず、プログラムに選抜されたほかのチームが同じ場所を共有して開発やディスカッションをすることで、自分とは違った分野の専門家からのフィードバックが気軽にもらえたり、そのなかから予期せぬ素晴らしいアイデアを思いついたりすることができる場であるということができます。リアルな場所を共有することで、サイバースペース上だけでは起こりにくいような創発環境を実現しています。

一人企業の働き方を考える際に、このブログでも一貫して紹介をしていますが、ソーシャルメディアを用いたコミュニケーションは、現実世界の延長上にあるきわめて人間的な関係の上に成り立っています。その人間的なコミュニケーションのもっとも基本的なものが、実際に場を共有することによって生まれることは、いうまでもありません。ソーシャルメディアのよさを議論する際に、この「コワーキング・スペース」という考え方は、人間的な関係の大切さをあらためて気づかせてくれそうです。

最後に、いくつかの代表的な「コワーキング・スペース」を紹介しておきます。

海外

国内


著者紹介

高橋雄介

高橋雄介 (たかはし・ゆうすけ)

1980年生まれ。2003年 慶應義塾大学 総合政策学部卒業、2005年慶應義塾大学 大学院政策・メディ ア研究科修士課程修了。2008年同大学院後期博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。2005年より同大学院研究員として、知識ベースシステム、マルチデータベース、ビジュアリゼーション、教育およびキャリア開発におけるデータベース利用に関する 研究開発 に従事(~2009年)。2010年11月、株式会社一人企業を創業。2013年2月、米国カリフォルニア州Mountain ViewにてAppSocially Inc.を創業し、CEOに就任。専門は、データベース、知識ベース、マルチメディアデータベース、顧客開発、および、 グロースハック。2013年4月より、米国シリコンバレー在住。

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