d beauty of 9ja ― 魅するもの、ナイジェリアから


征服者・シェグン

2011年6月11日

2011年5月28日 ラゴス アジェグンレの「Brain Computer institute」にて

イフェのとある写真家にインタビューに行くと、その家の子どもたちに勉強を教えていたのがシェグンだった。2度、会話をしただけ。彼はナイジェリアで大学に進学することの困難さを語った。2005年のことだ。

3年まえ、道でばったり再会したシェグンは道沿いにキオスクをかまえていた。わたしはそこで買いものをするようになった。たくさん話をするようになったわたしに、彼はビジネスの展望を語ってくれた。

地元ラゴスに帰ったシェグンが、本格的にビジネスを立ちあげる準備をはじめたのが2年まえ。小学生から高校生まで6人の学生の家庭教師をしながら、インターネットカフェを開く資金を貯めた。

1年まえ、ラゴスでインターネットカフェを開店。8台のパソコンからはじめ、家庭教師をつづけながら、少しずつパソコンや周辺機器を増やしていった。

2011年、15台のパソコン、そしてプリンターやスキャナー、コピー機などもそろえ、「ビジネスセンター」としても機能するようになったシェグンの店。自家発電機は煙突つきの大型のものに買い替えた。増築してコンピューター教室もはじめ、12人ほどの受講生と、毎日約60人のネットカフェ利用者がここを訪れる。

「困難を乗り越えて勝利する征服者」
ヨルバ語でシェグンとは、これを意味する。

Photo
シェグンの営む「Brain Computer Institute」の一角。ナイジェリアで「ビジネスセンター」とは、コピーや印刷、タイピング、そして特定のソフトを使って文書や画像を編集するサービスをおこなう店のこと。半日は兄に店番を頼みながら、店の内装や配線はすべてシェグンと兄たちが手がけた。インターネットは30分50ナイラ(約25円)、印刷は白黒が1枚30ナイラ(約15円)、カラーが80~150ナイラ(約40~75円)、コピーが1枚10ナイラ(約5円)。物価の高い大都市ラゴスだが、店のあるアジェグンレはゲットーの広がる地域であるため、値段設定をやや安くしている。近年、国内でノートパソコンやワイヤレス通信がかなり普及するようになってきたが、まだ各家庭にパソコンや周辺機器がそろっていないため、インターネットカフェや「ビジネスセンター」は欠かせない。
2011年5月28日 ラゴス アジェグンレの「Brain Computer institute」にて

(毎週土曜日更新)



著者紹介

緒方しらべ

緒方しらべ (おがた・しらべ)

1980年島根県に生まれる。18歳まで福岡県で育つ。ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)にて学士課程をへて、2005年に同大学院修士課程を修了。2007年より、総合研究大学院大学文化科学研究科にて博士後期課程に在籍。

2003年以来ナイジェリアでフィールドワークに従事し、造形活動にたずさわる人びとをテーマに研究をおこなっている。

(株)清水弘文堂書房

TEL 03-3770-1922 FAX 03-6680-8464

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